コレクション: francescabianchi

・About
優れた結果を得るためには、原材料の品質に対する絶え間ない探求が欠かせません。同じ処方で、異なるサプライヤーから仕入れた原料を使用すると、異なる香りのプロフィールが得られます。
私の香水は、アムステルダムの私の研究所で考案されます。配合が決まったら、いよいよ原料を発注し、調合します。出来上がった香水は、イタリアの職人工房に送られ、アルコールに漬けて熟成させた後、梱包されます。

・Perfumery as a Form of Art/芸術としての香水
香水作りは、コンセプトを表現し、アイデアを思いつき、心の状態を呼び起こすという欲求から生まれる知的プロセスです。その目的は、人々の記憶や経験から引き出された感情や感覚を呼び起こすことです。
香水に生命を吹き込むには、芸術的なビジョン、つまり作り手の心を支配するアイデアと、原料の知識、そしてそれらを組み合わせる技術が不可欠なのです。
香水づくりは、香りを深く掘り下げ、そのメカニズムを明らかにし、香りの素材をバランスよく組み合わせることで、人の心を揺さぶる建築物を想像する思考プロセスなのです。

・The Symbolic Language of Emotions/感情の象徴的な言語
香水は感情の象徴的な言語です。香りの成分一つひとつが、人間の文化だけでなく、愛、痛み、喜び、神秘的な感覚などの経験、つまりは感情の生活に結びついた、人間にとって重要な何かを伝えているのです。その意味は、それ自体で存在するのではありません。むしろ、個人的、集団的な人間の記憶にしっかりと根ざし、それに従って割り当てられるものなのです。香水は錬金術のような芸術であり、特定の材料を混ぜ合わせることで、それまで知られていなかったまったく新しい存在を生み出すことができるのです。

・Smell of Humanity, Smell of Intimacy/人間らしさの香り、親密さの香り
私は、人間であることの意味する力、人々の内面とつながりたいと願うこと、人々の感情を呼び起こし、自分の体の中でくつろいでもらいたいと願うこと、慰めを与えたい、あるいは、嫌なことがあったときに素早く解決してあげたいと願うことに、主にインスパイアされています。嗅覚の信号は、数個のシナプスを介することなく、私たちの脳の中で記憶と感情をつかさどる大脳辺縁系に到達します。その結果、嗅覚によって引き起こされる反応は生物学的に不可避なものであり、操作することはできません。そのため、嗅覚は私たちの本物への憧れを十分に満たしてくれるのです。私の香水は官能的で挑発的であるという評価を得ていますが、それはおそらく、人間の本質と親密さに焦点を当てた結果なのでしょう。

・Naturals and Synthetics/天然素材と合成素材
原材料を選ぶ目的は、特定のアイデアを具現化することです。私は、その複雑さと豊かさがゆえに天然素材を優先的に使用する傾向がありますが、合成由来の素材も使用します。合成素材は、天然素材だけでは生み出せない効果をもたらすことができるからです。私は両者の間に矛盾を感じません。どちらも人間の手によって非常に複雑な変換が行われた結果であり、その抽出や変換に関わる科学は、何世紀にもわたる人類の発展の結果なのです。
また、材料には「より良い」「より悪い」というカテゴリーがあるわけではありません。材料は、特定の目的に応じて適しているか否かが決まるだけです。

・The Production Flow/制作の流れ
私の香水はすべて、私の研究所で私が作っています。新しい香りの処方を考えるには、6カ月から4年以上かかります。フランスのグラースにある高級香料の原料を加工する家族経営の会社が私のために調合し、イタリア・ミラノの製造会社に送って、アルコール熟成、ろ過、瓶詰め、包装という製造工程を経て完成します。

・Short Bio/略歴
私は子供の頃から香水が大好きでした。私は美術史を専攻し、20世紀を専門として卒業しました。香水作りへの情熱は、天然香料に関する本を読んだことがきっかけでした。それ以来、勉強と実験に励んでいます。フィレンツェ、ベルリン、ルクセンブルグ、アムステルダムと、ヨーロッパのいくつかの都市に住み、アートブックの出版業界で働きました。現在住んでいるアムステルダムで、自分の香水ラインを作りました。