コレクション: WienerBlut

2009年にウィーンで生まれたユニセックスフレグランスブランド。
創業者でクリエイティヴディレクターのAlexander Lauber(アレクサンダー・ローバー)がインスピレーションの源とするのは、19世紀末のウィーンの街とその文化です。ローバーを魅了してやまないのは、絵画・建築・音楽などさまざまな芸術文化が百花繚乱の様相を呈した、オーストリア=ハンガリー帝国時代のウィーン。ブランドネームの「WienerBlut」は、ヨハン・シュトラウス2世が1873年に作曲した有名なワルツ「WienerBlut(ウィーン気質)」に由来しています。ブランド設立当初は、かつてウィーンに実在した香水のレシピをたどりながら香りを構築していったというローバー。貴重な天然原料をふんだんに使って創り上げた香りのひとつひとつには、彼の想いが詰まったストーリーが。いずれの香りも知性と官能性を漂わせつつ、軽やかなつけ心地に仕上がったオードパルファムです。当時の上流階級の文化や風俗をベースにしたストーリーをもつ香りは、複雑で奥行きがありながら現代的な軽やかさを持ち、心地良く空想を掻き立てます。知的好奇心に溢れた大人に相応しい、クラシカルで新しい香りです。ボトルはローバー自身のコレクションにあったアンティークの香水ボトルや、ウィーンの薬局で使われていたボトルなどをモチーフに、ニューヨークを拠点とするオーストリア人アートディレクター、アレックス・ウィーデリンが現代的な解釈でデザイン。クラシカルかつモダンな香りを見事に体現しています。手仕上げのためそれぞれの形が微妙に異なるのも魅力のひとつです。キャップの素材のベークライトは19世紀後半に発見され、20世紀初頭から生産が始まった、セルロイドに次いで古い合成樹脂。温かみのある独特の質感がボトルとマッチし、インテリアとしても魅力的な佇まいです。

(Alexander Lauber/アレクサンダー・ローバー)
米マサチューセッツ州のケープコッドに生まれる。オーストリア人の祖父の影響でウィーンに魅力を感じ続け、イタリアのボローニャやオーストリアのザルツブルクなどを転々としながら育つ。広告業界でクリエイティヴディレクターとして働いた後、香水の道へ。「香水作りは私にとって、自分の思想やアイディアを表現し、人々と分かち合うための方法なのです」